目黒エリア情報紙ターミナル秋号の裏表紙を担当しました。
柿は日本人にとっては身近な果物だが、甘柿も渋柿も、青柿のうちは「カキタンニン」のためどちらも渋柿。この青柿を絞って液にしたのが柿渋液で、酸化すると柿渋色になる。防腐効果があるので家屋に塗ったり、水をはじく性質を利用して、カサや漁師のアミなどに塗り、ビニールコーティング的にも利用されてきた。山野で修行する山伏の装束にも使われていたのだとか。黒・緑・茶色の縦じまの歌舞伎の引き幕。「定式幕」は粋で、いかにも歌舞伎らしい色の取り合わせだが、緑が萌黄色、そして、あの茶色が柿渋色。歌舞伎座で、ぜひご覧ください。
古布コラージュ・アーティスト 住川 信子