目黒エリア情報紙ターミナル秋号の裏表紙を担当しました。
古布コラージュ「和色―江戸紫」
ひと言で紫と言っても色々な紫色がある。赤味を帯びた紫色は「京紫」と言われ雅な印象、それに対して青味を帯びた紫色は「江戸紫」と呼ばれ、キリッとした粋なイメージがあり、歌舞伎でお馴染み助六の鉢巻の色に使われるなど、江戸の人々に好まれた。本来、紫の染料となる紫根には解毒作用があり、紫根で染めた鉢巻を頭に巻くと病状を和らげる効果があると言われてきたが、病鉢巻は通常頭の左側で結ぶ。しかし、江戸の花形ヒーロー助六は病鉢巻をあえて頭の右(向かって左)で結び、活気・元気・心意気を表現。まさに傾き者のシャレだが、「江戸紫」は粋とシャレを好む江戸っ子気質を表す色、洋風にコラージュしてもシャレている。
古布コラージュ・アーティスト住川 信子