603年、聖徳太子は官人の序列を色で表した〈冠位十二階〉を定めましたが、その最高位である〈大徳〉の色とされたのが、「紫」でした。遣隋使の小野妹子も〈大徳〉でしたが、最高位の「紫」は憧れの色となり、万葉集、源氏物語、枕草子などにも数多く登場します。ひと言で「紫」といっても色味は様々で、すみれ色、桔梗色など植物の名がつく紫色も多いですが、赤色を帯びた雅な「京紫」、青味を帯びた粋な「江戸紫」、グレーがかった「滅紫」などは日本の美意識を感じる和色名です。
2019
25
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